2Seiko Gakuen 100th anniversary 清光学園の100年にわたる歴史の第一歩は、岡崎市内の一乗寺の一室で、本多由三郎(ペンネーム清光)先生によって踏み出されました。大正13年(1924年)、本多先生は、ここで既に寺子屋保育とも呼べる活動をしていた僧侶の安間公観師に協力して、子どもたちに童話を語り伝えながら、この部屋を幼児教育の場にすべく整備を始めました。清光学園は、本多先生が、後に嫩ふたば幼稚園となるこの一室で幼児教育に着手したことを、学園の源流としています。 100年後の今日、清光学園は、大学、短期大学、3幼稚園、幼保連携型認定こども園の6つの教育・保育機関を擁する学校法人に発展しました。これもひとえに教育への情熱と真摯な学園経営の魂をもって、運営や教育・保育に力を注がれた歴代の理事並びに役員の方々や先輩教職員のおかげです。それ以上に、あまたある高等教育機関や幼児教育・保育施設の中から、岡崎女子大学、岡崎女子短期大学、嫩幼稚園、第一早蕨幼稚園、第二早蕨幼稚園、たかねこども園を、学びの場、育ちの場として選び愛してくださった、卒業生や保護者の方々並びに地域でお支えくださった方々のご厚情とご指導の賜物であることは申すまでもありません。清光学園100周年を迎え、学園に縁のある全ての方に篤く御礼申し上げます。 現代は、自然環境も社会環境も複雑に変化し続けています。家族の在り方や価値観なども例外ではありません。しかしながら、幼児教育の意義と必要性、また安心して子どもを託せる保育・幼児教育機関への要望は、これからも変わることはないはずです。加えて、確かな未来が見いだせない時代にあって、学校教育を担う教員には、学びの場に在る子どもの創造性や個性を引出す力や、それらに応じた学び方を創造する力を蓄えた教育専門家として、益々の期待が寄せられています。 岡崎女子短期大学は、初等教育学科、経営実務科(後の現代ビジネス学科)、人間福祉学科の設置や閉科を経て、令和5年(2023年)より、創立時から続く幼児教育学科のみを設置する短大になりました。岡崎女子大学及び岡崎女子短期大学は、本多先生が教育の生命とした「自由と創造」を礎に、教育者並びに保育者の養成に、いっそうの努力を重ね社会に貢献してまいります。幼稚園とこども園においては、自己発揮を支え、自己への尊厳を涵養することで、豊かな人生のスタートを力強く応援することを目指します。 これらの使命を今一度肝に銘じ、これまでお支えくださった全ての方々への100年分の感謝をお伝えすべく、ここに100周年記念誌を刊行致しました。お目通しいただき、今後もご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、記念誌刊行のご挨拶と致します。令和6年9月14日学校法人清光学園9代理事長 林 陽子清光学園100周年を迎えて
元のページ ../index.html#4